がけっぷち隠れオタクOLの日記

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オタク女子、タクシードライバー茂蔵の身の上話を聞かされる

雨。飲み会帰り。わたしは駅前からタクシーに乗った。
ドライバーの名は茂蔵。御年70歳(推定)。

「お客さん、短い間だけど、軽い話でもしながら、楽しくいきましょう」

はぁ・・・。まあ、楽しくても構わないけど、安全運転で頼みます。

タクシードライバー茂蔵。御年70歳。
とっても陽気である。

駅前から自宅まで約7分。
茂蔵は話しまくった。

わたしは、茂蔵には3人の娘がおり、それぞれの娘には2人ずつ子供がいることを知った。
さらに、いちばん下の娘は離婚をし、2人の子供をつれて、茂蔵の下に身を寄せていることも分かった。

茂蔵は、この一番したの孫(中3・男)にメロリンラブで、べたべたに甘やかしているらしい。孫におねだりされると、断れないのだそうだ。断ったときに、孫が見せる、悲しそうな顔が、切ないらしい。

だけど、孫がおねだりして、茂蔵を連れて行く場所が、スーパーマッケットのダイエーだというから、かわいいものだ。茂蔵の孫は、最近の中学生にしては、かなりのピュアっ子なのかもしれない。



また、茂蔵はタクシードライバーになる前は、会社勤めをしていたという。
40年だか50年だか、その会社を勤め上げたというから、たいしたもんだ。

で、茂蔵だが。まあ、それだけ長く勤めていたわけだから、それなりの地位にもついたという。そう話す茂蔵の顔は少し誇らしげだ。

ある日、新卒の男の子が茂蔵の部署にやって来た。良い子だったが、根性が無かったという。彼は入社して半年ほどで、へこたれて辞めてしまったらしい。辞めてどうしたかというと、バーテンダーになり、そこでひっかけた女の子とアパートで同棲をはじめたという。

茂蔵は思った。大学まで出してもらって、ほんとうにやりたい仕事がバーテンダーなら良い。その女の子と結婚して、幸せな家庭を築くのがなにより大事なら、それでも良い。だけど、それで本当に良いのか。彼は後悔していないのだろうか。

そこで、茂蔵は、履歴書の住所を頼りに、彼の実家を訪れたという。根性はないけど、見所があるとは思っていた。彼を気に入っていたのだ。だけど、茂蔵は彼の母親に追い返されたらしい。

「部長さんには、わざわざ家まで足を運んでいただいて、本当にありがたいんですけど、申し訳ありません。うちの息子は、会社には戻るつもりはないようなんです。本当にすみません。」

言葉は丁寧だが、完全拒否である。茂蔵惨敗だ。
まあ当然だ。今なら軽いストーカーだ。つーか、40年だか50年つとめて、部長ってどうなんだろう。それってすごいの?部下が300人いるって言わなかった?どんな部署だよ。

タクシーがやっと自宅前に着いた。
メーターを確認し、お金を財布から取り出す。

「お嬢さん、お見受けしたところ、まだミスだね」

は?

エム・アイ・エス・エスMISSだよ。」

はあ。たしかに、未婚ですが、なにか?

「まあさ、とにかくエンジョイしなよ。人生、存分に楽しんでください。」

はあ。言われずとも、おかげさまで、毎日面白おかしく人生を謳歌いたしております。

「なんか、おじさんのつまらない話ばかり聞かせちゃって悪かったね。いやあ、でもさ、お嬢さんはまだミスだからさ、大いに人生エンジョイしてください。じゃあ、おやすみなさい」

はあ。えっと、失礼ですが、わたし、そんなにつまらなそうな顔しておりましたでしょうか?

そうして、茂蔵は闇の中を走り去っていったのでした。



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